新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が1日、福岡県など6府県で解除された。福岡県の飲食店への時短要請は午後8時から午後9時に。酒は午後7時までの提供から午後8時半までの注文に緩和された。福岡市では、名物の屋台が一部営業を再開した。
九州最大の繁華街・福岡市の天神。大通りの一角にある屋台「喜柳」には、久しぶりに常連客たちが集まっていた。店長の迎(むかえ)敬之さん(46)は「来てくれてありがとう」と声をかけ、手際よく客の注文をさばく。「福岡に屋台のあかりを戻せるのはすごくうれしい」
宣言が出た1月中旬以降、休業を続けていた。屋台は市のルールで午後5時以降しか開店準備ができないため、午後7時までの酒の提供では「お客さんにも申し訳ない」と考えたからだ。解除を見据えて5日前からラーメンの仕込みやチャーシュー作りを始めていたが、客足がすぐに戻るとは思えず、営業は赤字覚悟だ。天神地区の屋台48店のうち、この日店を開けたのは3店だけという。一方で時短営業への協力金は、1日6万円から4万円に減額される。「お客さんが前のように戻るのか。コロナが再燃しないか……。期待と不安が半々です」
店に立ち寄らず、足早に帰宅する人たちも目立った。同僚と2人で歩いていた福岡市の男性会社員(48)は、「まだ営業時間も短い。飲みに行くのは、時短要請が終わってからでしょうか」と話していた。(宮野拓也)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル